沖縄のいま
翁長知事を失った沖縄県。辺野古・キャンプ・シュワブのゲート前で抗議行動を続けている沖縄平和運動センター議長の山城博治さんにいまの思いを語っていただいた。
安倍内閣によって民意を無視され続けている沖縄。その県民の怒りを一身に背負い、政府と激しく対峙した翁長雄志知事が8月8日に膵癌で逝去されました。
巨星墜つ。あまりの衝撃と悲しみに、県民は涙をこらえて天を仰ぐしかありませんでした。
3日後に開催された「8・11土砂投入を許さない県民大会」には、7万余の参加者が結集。偉大な指導者を追悼すると共に、必ずその遺志を引き継いでいく決意を互いに確認しました。
13日、告別式には4500人もの参列者が式場やその周辺を埋めつくし、終日全県下が深い悲しみに包まれました。
★連帯した運動の成果★
8月17日、私は大きな不安を感じていました。2016年7月22日に高江で起きた機動隊による暴力と同じ惨劇が辺野古で繰り返されるのではないかと…。しかし、不安とは裏腹に土砂が搬入されることはありませんでした。それはまさに、連日ゲート前に座り込みに参加された皆さんの闘いの賜物です。
また、各地で繰り広げられている機動隊の派遣は不正な公金の投入だと訴訟を起こしているため、そのことで、沖縄へと機動隊員を派遣できないようになっているのです。全国の仲間からの支援と運動の連帯がこのような大きな成果をあげているのです。
★画策うごめく安倍内閣★
翁長知事の逝去に伴い、県知事選挙は9月30日に実施されることになりました。選挙の組立ての見直しを迫られた安倍内閣は、翁長知事が決断した撤回実施の時期を県知事選挙以降にしてほしい旨を県政に要請したといいます。あれだけ県民を愚弄し続けた政府が、都合が悪くなると頭を下げてくるとは笑止千万です。
この選挙は翁長知事逝去に伴う選挙であり、弔い合戦になるのは当然のこと。さらに撤回が実施されればなおさら選挙の争点は「新基地建設問題」に絞られてくるのです。埋立てを強行し県民の諦めを誘い、その上で基地問題を選挙の争点から外そうとした政府の戦略は根本から覆されます。
県民は必ず選挙に勝利し、最終的に新基地建設を断念させる闘いに勝利します。翁長知事は命をかけて県民勝利の流れをつくり出してくれました。私たちはその遺志に必ず応えましょう。
沖縄平和運動センター議長 山城博治
【 くさり9月号より 】